2024.6.1

大越円香 個展「Detection」
@madoka_okoshi

展示作品
Surface drawing シリーズ
新作を含む全11作品 (映像作品2点)

会期
2024年6月1日(土)- 7月27日(土) の期間で、 木曜/金曜/土曜に開館 11:00-17:00
*7月4日休館

会場
 anonymous studio
愛知県名古屋市中区栄3丁目5−10の先 久屋大通公園ヒロバス(名古屋栄三越 横)内
交通:名古屋市営地下鉄東山線・鶴舞線栄駅下車、14番出口より徒歩1分

お問い合わせ
studio@anonymous-collection.jp

展示概要
 本展は、大越円香の近年の作品を紹介するものです。
大越がテーマにしてきたのは「スマートフォン登場以降のデジタル画像の視座」(視座は、物事を把握する際の立場や立ち位置のこと)。
 私たちは毎日数多くのデジタル画像や映像を眺めています。日常に氾濫するそれらのイメージを、人はどのように視ているのか。その喫緊の課題に取り組むために、近年は、XRエンジニアと共にiPhone向けアプリケーションを開発し、画面上に映し出される対象との距離をDetection(検出)してビジュアル化する作品を発表しています。

 会場に並ぶのは、iPhoneに搭載された「LiDARセンサー(対象に光を照査し、その反射光を捉えて距離を測定する技術)」を用いて都市空間を撮影した作品です。また、撮影時にiPhoneで捉えた都市の3Dデータも合わせて展示します。
 近年、私たちは、AIなどの普及により、本物と区別がつかないフェイク画像を目にする様になりました。デジタル社会の中で、私たちは何によってリアルであるかを感じ、判断を下していくのでしょうか。
 大越は、自身の活動について「視覚の未知なる側面を浮き彫りにさせることで、人が認知している光景に新しい視点を投げかける」意図があると述べています。私たちはそう遠くない未来に、人間の視覚の限界を見極める時代を迎えるのでしょう。そしてデジタル空間という“新しい自然”の中でも、自分自身の眼で活き活きとした生活を送る方法について議論するのではないでしょうか。
 大越円香は、私たちの知覚や感覚について極めて自覚的なアーティストです。この機会に展覧会場にお越しになり、距離を巡る不可視の世界の美しさを実感していただければ幸いです。